- げん
- I
げん【元】(1)〔数〕(ア)方程式の未知数の個数。 (イ)〔element〕集合の要素。(2)中国の貨幣単位の一。 一元は一〇角。IIげん【元】中国の王朝(1271-1368)。 フビライ(世祖)が建国。 都は大都(北京)。 1279年, 南宋を滅ぼし, 中国本土を中心にモンゴル・チベットを領有, 高麗を服属させ, モンゴル至上主義の原則に立つ専制官僚支配を行う。 紅巾(コウキン)の乱を契機に, 漢族の朱元璋(シユゲンシヨウ)(明の太祖)により滅亡。IIIげん【原】漢語の上に付いて連体詞的に用いる。 本来の。 元来の。IV
「~著作者」
げん【厳・儼】※一※ (ト|タル)(1)態度や処置がきびしい。 厳格。「~たる態度」「~として譲らない」
(2)動かしがたい。「~として存在する」
※二※ (形動ナリ){※一※}に同じ。V「修例の~なる規則の密なる/もしや草紙(桜痴)」
げん【弦】(1)弓のつる。(2)「絃(ゲン)」に同じ。(3)〔数〕(ア)円周上, または一般に曲線上の二点を結ぶ線分。 (イ)古代中国および和算で, 直角三角形の斜辺。VIげん【減】(1)減ること。 減らすこと。⇔ 増「前年度に比べて五割の~だ」(2)ひき算。VII「加~乗除」
げん【玄】(1)黒い色。 黒。(2)天。「黄に満ち~に満てり/三教指帰」
(3)老荘思想の根本概念。 万物の根源としての道。(4)奥深くて微妙なこと。 深遠な道理。「~を談じ理を折(ヒラ)く/太平記 1」
(5)陰暦九月の異名。(6)〔多く, 名に「玄」のつくことからという〕遊里で, 医者のこと。 また, 多くの僧は遊里へ行く時に医者の姿をしていたことから, 僧のこと。 玄様。VIII「浅草あたりの~いろ里にうかれゆきけるに/浮世草子・新吉原常々草」
げん【甗】中国古代の蒸し器。 三本足の鬲(レキ)状の下部に, 甑(コシキ)がのったもの。 殷周時代の青銅製の祭器がよく知られる。IXげん【監】(1)奈良時代, 大和国と和泉国に置かれた太政官直轄の特別行政区。 芳野監・和泉監があり離宮がおかれた。(2)大宰府の三等官。 大監と少監とがある。X「大夫の~とて, 肥後の国に, ぞう広く/源氏(玉鬘)」
げん【絃】(1)琴・三味線などの楽器の糸。 弦。「ギターの~」
(2)弦楽器のこと。XIげん【舷】船ばた。 船べり。XII「~を接する」
げん【言】(1)口に出してものを言うこと。 言った言葉。(2)〔ソシュールの言語理論を翻訳する際に小林英夫が「パロール((フランス) parole)」の訳として用いた語〕⇒ パロール~近くして指(ムネ)遠し〔孟子(尽心下)〕言葉は身近でわかりやすいが, その意味は深い。 言近くして意遠し。~をかま・える偽りを言う。 こしらえごとを言う。~を左右にするはっきりしたことを言わない。 あいまいな返答をする。 言を左右に託する。~を食(ハ)・む〔書経(湯誓)「朕不食言」より出た語。 一度口にした言をまた口に入れる意〕前言をひるがえす。 約束を破る。 うそをつく。 食言する。 ことをはむ。~を俟(マ)たないあらためて言うまでもない。XIIIげん【験】(1)ある行為を積み重ねたことによる効果。 また, 薬のききめ。 効験。「~が現れる」「がつくり首を掉(フ)つて, ~が見えぬぢやて/婦系図(鏡花)」
(2)前途の吉兆を暗示する出来事。 縁起。 前兆。「~がいい」「~なおし」
(3)仏道・修験道などの修行を積んだ効果。 修行や祈りの結果あらわれるふしぎなしるし。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.